公開日: |更新日:
自己破産をすれば、借金などの問題からは解放されます。しかし、申請すればすぐにそうなるわけではなく、裁判所から免責許可が認められなければ借金から解放されることはありません。
申請してから免責許可が認められるまでは、その人の借金内容等により時間がかかるものです。そして、この申請中の期間中にはしてはいけないこと、するべきではないことがいくつかあります。
弁護士等に依頼をすれば、もちろんしっかりとした指導を受けることにはなりますが、事前に知っておくことで免責を受け、借金から解放された生活を手に入れましょう。
申請前に新たな借金をする
自己破産をすれば借金を返済しなくても良くなるからといって、自己破産を申請する直前に借金をする、というのはやってはいけない行動のひとつです。
あちこちから借金をしなければ生活がままならなくなっている状態の人が借金を作ってしまう、などの理由がある場合は、考慮してもらえる可能性もありますが、明らかに多額の借金を目的もなく行なっているなどの場合、免責を受けられなくなる可能性も出てきてしまいます。それだけではなく、悪質と判断されると、詐欺などの犯罪に問われてしまう可能性もあります。
もちろん、申請前だけではなく申請中の新たな借金も不許可事由に問われることがあります。自己破産申請前や申請中に新たな借金をつくることはやめましょう。
クレジットカードの現金化
自己破産の手続き中はもちろん、申請前にもクレジットカードの現金化はしてはいけません。クレジットカードの現金化とは、クレジットカードで購入したものをすぐに売却して現金に変える行為をいいます。この行為は、自己破産の免責が受けられない、免責不許可事由になるのです。
借金でどうすることもできず、やむを得ず現金化という行為を行なった場合は、裁判所の裁量次第では、認めてもらえることもありますが、不許可事由にもなり得ることは、知っておきましょう。
クレジットカード会社側も、現金化という行為は想定している行動ではありませんし、クレジットカード会社にとって不利益を与える行為だと認められる場合もあります。現金化を行う、悪質な業者もあるため、クレジットカードの現金化は安易に行なってはいけないのです。
財産を隠す
自己破産で対象になる財産は、その人自身の名義の財産のみで、家族名義のものは同じ世帯で生活をしていたとしても、自己破産上は関係のない財産ということになります。そのため、自己破産申請前に、不動産の名義などを家族名義に変更してしまう人もいますが、これは財産隠しをしたと思われても仕方のない行為です。
また、自己破産を申請する際には、破産者の財産内容をまとめた財産目録を作成することになります。この財産目録を作る際に、自分の財産について虚偽の記載を行なってはいけません。
財産を隠すといった行為が発覚した場合も、免責不許可となる可能性があります。自己破産の申請を行うと、口座の他、郵便物などもチェックされるようになります。財産を隠していたとしても、必ずバレてしまうものですので、隠さずに正直に申請するようにしましょう。
債権者を隠す
自己破産を申請すると、全ての借金への返済ができなくなります。しかし、中には友人や親戚など、身近な人からの借金や、保証人がいるなどの理由で返済を続けたい借金もあるかもしれません。しかし、そういった借金だけ申請をせずに返済を続けるといった行為はやってはいけません。一部の債権者を隠す行為も、免責不許可事由となります。
債権者に関しては、全てをきちんと申告する必要があります。親類や友人からの借金など、どうしても返済を続けたい借金がある場合は、免責の許可を受けた後でしたら返済することは可能ですが、申請中は決して返済を行なってはいけません。
裁判所や弁護士の指示に従わない
自己破産の免責を受けるまで、裁判所にさまざまな書類などを提出する必要があります。また、実際に裁判所まで足を運ばなくてはいけない場面も出てきますが、それらにきちんと従わない場合、免責が受けられなくなる可能性も出てきます。
また、弁護士の事務所で話し合いをする機会も何度かあると思いますが、それらを無視したり、揃えておくよう言われた書類を揃えない、といった行為も良くありません。依頼した弁護士からの信頼をなくすような行為を行なっている人は、やはり免責が受けられなくても不思議ではありません。
借金から解放された生活を手に入れるために
借金で生活がままならなくなった人にとって、最終的な救済措置でもある自己破産。自己破産を申請するのでしたら、自己破産に到るまで借金を重ねてしまった生活を反省し、新たな気持ちで人生をやり直すといった心構えを裁判所に認めてもらう必要があります。そういった行動があるからこそ、免責が受けられると思いましょう。
そのために、虚偽の申請を行なったり、新たな借金をしたりといった行動は、マイナスにしかなりません。
免責を認めてもらうためには、信頼できる弁護士の意見をしっかりと聞き入れ、今までの生活を全て見直すぐらいの気持ちで、申請手続きを行うようにしましょう。