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店舗経営失敗の債務整理を特定調停した体験談in名古屋
「2年ほどまえに熟年離婚を経験。離婚をきっかけに、自分でアパレルショップを立ち上げようと決意し、名古屋市内での物件探しにはじまりショップの開店まで大忙し。それでも充実感のある日々を過ごしていました。
実際にショップを開店してからは、ほとんどお客様が来ない状態が続く日々。お客さんに来てもらえるように色んな方法を試したのですが状況は改善することなく、結果としてお店を閉めることになったのです。開業ばかりに気を取られて、ショップの運営計画をしっかりできていなかったのかもしれません。
ショップの経営で積み重なった借金を整理しようと、以前から面識のあった弁護士の先生に相談。近隣の方々に知られないように借金をどうにかしたいといろいろ相談にのってもらいました。話し合った結果、裁判所が間に入って仲介をしてくれる特定調停を選択。秘密保持に配慮されていて、連絡をくれる時間帯や連絡方法などにも気を遣ってもらいました。弁護士の先生によると、債務整理には人にバレてしまう方法もあるとのこと。たとえば自己破産を選んだ場合、『官報』と呼ばれる冊子に名前が掲載されてしまうのだとか。一般の方はあまり読まないそうですが、見られる可能性もあるのでリスクを避けて特定調停を選びました。
今はまだ借金の返済が残っていますが、完済した後はもう一度、自分のお店を持ちたいと思っています。もしも、ふたたびお店を持って経営に失敗しまった場合、2回目でも債務整理ができる可能性があるそうです。ただし、1回目の債務整理と比べてスムーズには進まないとのこと。債務整理をするなら、この次はないと思って暮らす方がいいのかもしれません。
私は知り合いに弁護士がいたから、さまざまな相談をすることができましたが、なかには途方にくれている方もいると思います。最近はインターネットで法律相談事務所を検索できるので探してみてはいかがでしょうか。無料で相談にのってくれる法律事務所もありますよ。」
(50代・女性)
プラスチック製部品の製造業の負債を特定調停した体験談in名古屋
プラスチック製部品の製造業で負債総額が約2億円に膨らんでしまった会社については、まず少しでも早く事業を停止することによって、資産価値が劣化してしまうことを防ぎます。その後、特別生産を行って会社の金融債務を整理することとなりました。
経営者は、経営者保証ガイドラインによって、残存している資産の300万円を手元に残し、保証債務の免除を受けることができました。資産300万円の内訳は、生計費200万円、自由財産99万円です。
建築資材等の販売業の親会社と子会社の負債を特定調停した体験談in名古屋
親会社と子会社、どちらも代表者が同じの建築資材等の販売業で発生した、親会社3億円・子会社2億円、合計5億円になった負債に関しての対処として、まず早期に事業を停止しました。そして、特別清算を行ってどちらの会社も金融債務を整理。
経営者は経営者保証ガイドラインによる特定調停で、残存している資産400万円を手元に残し、保証債務の免除を受けることができました。生計費300万円、自由財産99万円が残った状態になります。
鋳物製品の製造・販売業の負債を特定調停した体験談in名古屋
鋳物製品の製造・販売業で負債総額が約3億円となった会社は、少しでも早く事業承継をすることにし、仕入れ先を通して譲渡先を探しました。その後、代金2000万円で事業を譲渡、特別清算を行って会社の金融債務を整理することができました。経営者は経営者保証ガイドラインに基づいて、残存資産140万円を手元に残し、保証債務の免除を受けることができました。残った資産は、生計費40万円、自由資産99万円です。
経営者保証ガイドラインって?
いずれも特別清算を行った事案なのですが、これらの事案でポイントとなるのが、「経営者保証ガイドライン」です。経営者保証ガイドラインは、経営者のためにあるものです。
- 会社経営を頑張ってきたけれど、今後の見通しがつかない
- 顧客や取引先を維持し、従業員雇用の確保も図りたい
- 赤字会社を廃業もしくは事業譲渡したいけれど、債務の残りが弁済できない
- 手元に今後の生活費は残したい
- 自己破産はできるだけ避けたい
- 債務は金融機関の連帯保証債務のみ
といった条件に当てはまる場合は、経営者保証ガイドラインの利用をおすすめします。経営者保証ガイドラインを利用した債務整理が可能かどうか、また適しているかどうかはまず相談してみましょう。
特定調停という手段もあり
特定調停は、借金の返済が滞りつつある債務者からの申し立てで、簡易裁判所が債務者(借主)と債権者(貸主)との話し合いを仲裁し、返済条件の軽減などで合意するよう働きかけ、債務者が借金を整理して生活を立て直せるよう支援する制度です。特定調停を行う場合、債権者からこれまでの取引履歴を開示してもらい、借金をした当初にさかのぼって利息制限法の上限金利(15~20%)による引き直し計算を行うことで、減額された元本をもとに分割して返済していく、という流れになります。
なお、債権者の中には特定調停に対して必ずしも協力的でない対応をされる場合もあり、簡易裁判所ごとに調停基準にばらつきが生じていることから、調停成立までの期間の遅延損害金や調停成立後の利息(将来利息)を支払わなければならない場合があります。裁判所を介する公的な手続きとなっており、手続きに関してはすべて本人が行う必要があるので、利用する場合は一度調べてみるといいでしょう。